AIエンジニアが本気で作ったLLM勉強会資料を大公開 〜そのまま使えるハンズオン用コード付き〜
著者: Tomoki Yoshida(DeNA AIエンジニア) 出典: DeNA Engineering Blog, 2025-12-05 URL: https://engineering.dena.com/blog/2025/12/llm-study-1201/ 脈絡: 2025年12月1日に渋谷オフィスで開催した社内LLM勉強会(オンライン・オフライン合計52名参加)の開催レポートおよび全資料公開
概要
DeNAのAIエンジニア吉田(@birdwatcherYT)が、新規AIプロダクトを開発するPdM&エンジニア向けに約3時間のLLM勉強会を設計・実施。講義+ハンズオン形式で、LLMの基礎から実践的なプロダクト開発知識までをカバー。スライドとソースコードが全公開されている。
勉強会構成(3時間)
1. 知識(前半)— LLMの基礎
| トピック | 内容 |
|---|---|
| Next Token Prediction | LLMの基本原理。テキスト生成の仕組み |
| Instruction Tuning | モデルに指示に従わせるための事前学習 |
| Reasoning | 推論能力の仕組みと活用 |
| プロンプトエンジニアリング | 出力品質を左右するプロンプト設計の原則 |
保守運用・チューニング観点では「プロンプトに指示を足し続けるのではなく、全体を見直す重要性」を強調。
2. ハンズオン(前半)— API基礎
Python を使った穴埋め形式のコードで、非エンジニアにも短時間で実習できるよう設計。
- 基本的なAPI呼び出し
- 構造化出力(Structured Output)
- LLMを複数組み合わせて問題を解く思考をつける演習(誘導問題形式)
3. 知識(後半)— プロダクト開発応用
| トピック | 内容 |
|---|---|
| 強化学習 vs ファインチューニング | LLMのデータ活用・チューニング手法の違い |
| コンテキストエンジニアリング | パーソナライズ実現の核心。「プロンプトへのデータ挿入」の体系化 |
| RAG(検索拡張生成) | コンテキストエンジニアリングの一種。外部知識をLLMに動的に供給する手法 |
| ReActエージェント | Reasoning + Acting によるエージェント設計パターン |
| Reflexion | 自己内省による改善ループを持つエージェント設計 |
4. ハンズオン(後半)— 発展的API活用
- マルチモーダル入力(画像・音声など)
- グラウンディング(外部情報との接地)
- コード実行(Code Interpreter的活用)
- Tool Calling(外部API・ツールとの連携)
- Embedding + コサイン類似度計算
- Deep Researchの内部構造を設計してみる演習
- ReActエージェントの実装
- n8n によるワークフロー自動化
- LangSmith によるLLM観測・デバッグ
キーインサイト
- コンテキストエンジニアリングが鍵: パーソナライズ実現の核心はモデルの選択ではなくデータをどうプロンプトに入れるかにある
- 評価設計は実装前に: AI開発の成功はオフライン評価(技術性能)とオンライン評価(ビジネスインパクト)の2軸で判断する
- 複数LLMの組み合わせが実践的なプロダクト開発の思考訓練として有効
- プロンプトは「追加するより全体を見直す」ことで品質を維持する
- 配属研修レベルの完成度:「新規AIプロダクト開発メンバーの研修に入れるべき」との参加者評価
関連概念
- RAG(検索拡張生成) — 勉強会後半の主要トピック。コンテキストエンジニアリングの代表的実装
- コンテキストエンジニアリング — パーソナライズ実現の核心技術として本記事で提唱
- LLMプロダクト開発 — 本勉強会全体のテーマ
- AIエージェント開発入門プロセス — ReAct/Reflexionエージェント設計と共通する評価・タスク細分化の考え方
関連エンティティ
- Tomoki Yoshida — 著者、DeNA AIエンジニア
- DeNA — 開催組織。新規AIサービス開発チームを有するゲーム・エンタメ企業