人事制度がわずか1カ月で完成! ChatGPT活用でコストと策定期間を大幅削減したスタートアップ事例
1on1総研(kakeai.co.jp/media)掲載の連載記事。吉田 洋介(人事図書館館長)による第6回。「人事制度策定領域でのAI活用」をテーマに、ChatGPT DeepResearch でわずか1カ月で人事制度を完成させたスタートアップA社の実践事例を紹介する。
概要
社員数30人を超えたフェーズのスタートアップが直面する「人事制度を作りたいが社内に経験者もなく、外部委託の予算もない」という典型的ジレンマを、ChatGPT ProのDeepResearch機能とスポット専門家支援の組み合わせで解決した事例レポート。記事末尾には実際に使えるプロンプトJSON(startup_hr_system_design)が全文掲載されている。
人事制度策定の3つの課題
- 人事制度の基本的な形が分からない — 等級・評価・賃金の設計方法が不明
- 自社カスタマイズの方法が分からない — 書籍・他社事例を自社に当てはめる判断知識が不足
- やってはいけないことが分からない — 労働関連法規・セオリーへの抵触リスクで踏み切れない
従来の解決策(外部コンサルタント:数百万円 / 制度構築できる人事採用)に対し、近年は生成AIによる低コスト自力構築が台頭している。
スタートアップA社の取り組み
問題意識
- 社員数30名超・SaaSプロダクト成長フェーズ
- 評価不満から社員2名が退職
- 人事担当者は制度運用経験はあるが、ゼロからの策定は初めて
- コンサル全面委託の予算なし
実施ステップ
- ChatGPT Pro DeepResearch で人事制度の基本構造・類型・類似企業事例など約10万字の参考情報を1日で収集
- さらに2日間で自社カスタマイズの論点・失敗事例を整理し、自社状況をChatGPTに順次インプット
- ChatGPTが自社向け人事制度の素案を出力
- 人事コンサルタントをスポット起用(2回):1回目でリスク洗い出し、2回目で改善方針確認
- 社労士による法的確認
結果:通常3〜6カ月かかる人事制度策定をわずか1カ月強で完成
成果・反応
- 経営陣が随時レビューを行い、迅速な修正が可能だった
- 社内説明資料は「まじん式」スライドを活用し数時間で完成
- 初回評価運用後に「納得感が高まった」との社内反応
- 制度導入が組織の安定と信頼向上に寄与
今後の展望
- 半期ごとの評価サイクルで継続的ブラッシュアップ
- 評価の自動化・フィードバックの即時化・評価システム本格導入を視野に
人事制度策定プロンプト(startup_hr_system_design)
記事末尾に掲載されているJSON形式のプロンプト定義。Claude・Gemini・ChatGPT等の思考モード(Pro/熟慮優先モード推奨)で利用できる。
ヒアリング項目(必須)
- 社名・URL・事業内容・MVV/パーパス
- 社員数・組織規模(将来イメージも)
- 階層・役職構造・職種
- 現在の問題意識
- 人事制度に期待すること
- 施行希望時期
3ステップの対話フロー
- ステップ1:ヒアリング — インプット条件を質問で収集(制度案はまだ出さない)
- ステップ2:制度案(初版)一括出力 — 前提条件要約 → 人事制度案
- ステップ3:対話的ブラッシュアップ — テーマ候補を選択肢で提示しながら対話継続
アウトプット構成(8セクション)
- 人事マネジメントポリシー
- 人事制度全体像(フレーム図・設計思想)
- 等級制度(等級定義表・キャリアパス・昇格方針)
- 評価制度(目標設定・評価ランク・評価プロセス)
- 賃金制度(等級×評価連動・昇給ルール)
- 運用上の注意点(形骸化防止・永遠のβ版)
- 施行スケジュール案(ステップ別)
- 社内展開プロセス(説明会・Q&A・マネージャー研修)
設計思想のキーフレーズ
- 「人事制度は永遠のβ版」 — 完成品ではなく、全員で議論しながら育てていく
- 「少し粗い」くらいでスタートし、運用の学びでブラッシュアップ
- 国の法律と国民の関係に例え、「制度は人事や経営だけでなく全員で議論するもの」