データ分析失敗事例集 失敗から学び、成功を手にする
著者: 尾花山 和哉 / 株式会社ホクソエム ASIN: B0DF1P4KR8 形式: Kindle(15ハイライト取得)
概要
データ分析プロジェクトが失敗する典型的なパターンを5つに分類し、それぞれの原因と回避策を体系化した実践書。著者・ホクソエムはデータ分析専業のコンサルティング会社であり、数多くの失敗事例から帰納的に抽出したパターン集。
5つの失敗パターン
パターン①:分析結果に対する想像力の欠如
データ活用の結果をビジネス上の価値にどう転換するかの想像力が欠如し、使いものにならないものを作ってしまうパターン。
回避策:実際の分析を始める前に、考えうる結果をいくつか仮定して、具体的にどのように使えるのかについて想像を巡らし、シミュレーションを行う。
パターン②:根拠のない過剰な期待
分析開始前に次の行動がすでに決定されており、その決定の正当性を補強できない結果や、あらかじめ用意されたストーリーと矛盾する結果が受け入れられないパターン。
回避策:柔軟に目的を変化させること。士気向上・リスク最小化など、結果に応じて分析の提供価値を再定義する。意思決定者に対して、分析者をより早期に議論に巻き込まないと有効にデータを活用できない事実を伝え、失敗したとしても再発防止を徹底する。
パターン③:難しすぎる課題
解決したい問題は明確だが、直接解決するには難しすぎたり、抽象的すぎたりすることで、ビジネス的に価値のある結果に到達できないパターン。
回避策:「本当に実現したかったことは何であったか」を常に意識し、実現性に問題が生じた際に双方が成功のために忌憚なく議論を交わすための環境づくりを疎かにしない。
パターン④:分析実効性の確認不足
プロジェクトが開始されてしまったものの、分析を実行するのに必要なデータや環境が用意できなかったり、データや分析における前提が覆ったりすることで、計画していた分析が実行できないパターン。
回避策:プロジェクト開始前にデータ取得可能性・環境準備・前提条件の検証を完了させる(フィージビリティ確認)。
パターン⑤:手段の目的化
世間で注目を浴びている手法をプロジェクトに銘打つことで予算獲得や昇進など政治的に有利になるよう権威づけたものの、解決したい課題が曖昧なためビジネス的に価値のあるものが作れなかったり、より簡易で効果的なアプローチがあるにもかかわらず不要な追加コストをかけたりしてしまうパターン。
回避策:プロジェクトの計画や予算承認の場に技術に詳しい人物を配置するか、技術者によるプロジェクトの実現性レビューを制度化する。
キーメッセージ
まず「何が問題なのか」「何を解決できれば嬉しいのか」を考えるべきだ。イシューが見定められれば、自ずと「まずはデータの管理方法を考えよう」「この手法が使えそうだ」という次の一手が見えるものである。
イシュードリブンであることが、データ分析プロジェクト成功の大前提。