Cursor 文章執筆(AIファースト環境)
骨しゃぶり(honeshabri) が2年の試行錯誤から確立した、CursorをAIエディタとして使った文章執筆アプローチ。核心は「AIが働きやすい環境を先に整える」というAIファーストの発想転換にある。
すぅ AI駆動PM による Obsidian × Cursor 連携 がPM・ドキュメント作成に特化したのに対し、このアプローチはブログ記事・エッセイなどの一般的な文章執筆にCursorを応用している。
核心原則:AIファーストな環境整備
AI活用の鍵はツールそのものよりも、情報管理の方法にある。
どんなに優れたAIエディタも、情報が散乱した環境では能力を発揮できない。整理された食材なしに腕を振るえない料理人と同じ。**下準備(情報の一元管理・Markdown統一)**こそが先決事項。
下準備の2条件
- 情報が一元化されていること — Obsidianなど一箇所に集約。情報散乱はAIの自律行動を制限する
- 情報がMarkdown形式で統一されていること — AIが最も自然に理解できるシンプルな構造。ExcelやPDFと比べてAIの親和性が圧倒的に高い
システム全体像
[多様な情報入力]
音声入力(SuperWhisper+ChatGPT)
Web記事(Obsidian Web Clipper)
Kindle(Notebook LM)
調査(Deep Research)
PDF(Marker PDF Converter)
↓ 全てMarkdown変換
[Obsidian Vault](ストックヤード)
iCloud Drive同期(PC↔iPhone)
↓ マルチルートワークスペースで統合
[Cursor(AIエディタ)]
├─ Vault内の全ノートを自律探索・参照
├─ 執筆原稿(Git管理)
└─ AIエージェントが情報収集→構造化→執筆→管理を一貫支援
↓
[GitHubにコミット](変更履歴・バージョン管理)
Cursorのマルチルートワークスペース設定
ワークスペース設定例:
- メインフォルダ: ~/GitHub/Articles/[記事フォルダ](Git管理)
- 追加フォルダ: ~/iCloud Drive/Obsidian Vault(非Git管理)
この設定により:
- 執筆原稿はGitでバージョン管理
- Obsidian VaultはCursorのAIが直接参照可能
- 過去に蓄積した全てのノートが執筆のコンテキストになる
AIエージェントの自律的サポート
CursorのAIエージェントは自律的な情報探索と整理ができる。普通のVSCode + ChatGPTとの決定的な違い:
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 自律的ファイル探索 | 「先週書いたあのアイデアを探して」の曖昧な指示でAIが自ら発見・統合 |
| 複数ファイル横断処理 | 「全記事のリンクを一覧化して」でディレクトリ全体を走査・整理 |
| ファイル構造の自律整理 | テーマ別自動分類・ディレクトリ構造の提案から実行まで一貫 |
執筆プロセス:4フェーズ
Phase 1: 準備(Obsidianで情報収集)
- 関連する過去記事をObsidianから検索
- 執筆テーマについての考えを音声入力し、Markdown化
Phase 2: 発想・構造化(AIで整理)
- 音声入力した雑多なアイデアをAIに整理させる
- 全体の構成案をAIに提案してもらい調整
- 重要ポイントを箇条書きにまとめる
Phase 3: 執筆(Cursorで一気書き)
- Cursorを起動、マルチルートワークスペースでObsidianを追加
- AIの支援を受けながら音声入力で文章を一気に書き出す
- 頭から順ではなく全体を一度に作成→後調整のアプローチ
Phase 4: 編集・洗練(AIで推敲)
- 文体の一貫性・論理展開をAIにチェック
- 必要に応じてObsidianから追加情報を検索し反映
- GitHubにコミットして変更履歴を残す
代表的なAIへの指示プロンプト
# 構成案の生成
「以下はまだまとまっていない記事のアイデアで、これを整理し、核となるテーマと構成案を提案して」
# 初稿の作成
「記事用に喋ったので、これを誤字脱字直して整理して構造化して、読みやすい形式の記事にしてほしい」
# 文章の洗練
「`writing_style.md` を読み直し、より正確に記事で書くべき文体に近づけて」
# 編集者視点
「`structure.md` と `target_audience.md` を読み直し、編集者視点での意見がほしい。どうしたらより良い原稿になるか」
writing_style.md・structure.md・target_audience.md などをプロジェクトルールファイルとしてあらかじめObsidianまたはGitリポジトリ内に用意しておくことで、AIが自分専用の編集者として機能する。
Vibe Writing
著者の造語。「完璧を求めず、音声でアイデアを吐き出し、AIに整えさせる」スタイル。
- Before(旧来): 書くことに多大なエネルギーを費やし、完成後のブラッシュアップに余力なし
- After(Vibe Writing): AIで素早く文章を仕上げ、ブラッシュアップに注力できる。創造性と生産性の両立
Markdownの競争優位性
著者の主張:WordやExcelが主流のビジネス現場でも、AI協業時代においてMarkdownの優位性は「競争優位性」へと変わる。
今後AIとの協業が当たり前になる時代において、この差は明確な**「競争優位性」**へと変わっていくだろう。今日からでもMarkdownを学び始めれば、将来的なAI活用において他者より一歩先を行ける。
PM文脈との比較
すぅ AI駆動PM の Obsidian × Cursor 連携 と骨しゃぶりのアプローチは構造が非常に似ている:
| 比較軸 | 骨しゃぶり(文章執筆) | すぅ AI駆動PM(PM業務) |
|---|---|---|
| Obsidianの役割 | 記事情報・アイデアのストック | テンプレート・プロジェクト知見の蓄積 |
| Cursorの役割 | 記事執筆・AIによる推敲 | WBS・計画書・業務フロー作成 |
| 情報入力 | 音声入力・Web Clipper・Kindle | ヒアリング議事録・仕様書 |
| Git活用 | 原稿のバージョン管理 | (Gitは主要要素ではない) |
| 対象成果物 | ブログ記事・エッセイ | プロジェクト計画書・WBS・業務フロー |
共通する本質: 「情報をMarkdownで一元管理し、CursorのAIがその情報を自律的に参照・処理することで知的生産性を高める」