Cursor

AIを活用したコーディングエディタ。エンジニア向けのイメージが強いが、非エンジニアのPMや業務担当者によるドキュメント作成・プロジェクト管理にも強力なツールとして活用されている。

基本的な位置づけ

  • VSCode をベースにしたAI統合エディタ
  • チャット形式でAIと対話しながら作業できる
  • Obsidian に蓄積したナレッジを参照しながら高品質なドキュメントを効率的に作成できる
  • MCP との連携でNotionなど外部サービスへのデータ連携が可能

非エンジニアPMの活用用途

すぅ AI駆動PM が提唱する「Obsidian × Cursor」連携における Cursor の役割:

用途具体的な作業
プロジェクト計画書の作成テンプレート・プロンプトをもとにAIと対話しながら作成
WBSの自動生成と最適化タスク分解・依存関係チェック・工数見積もり
業務フローの作図サポートMermaid記法によるフローチャート・シーケンス図
要件メモの作成サポート要件の漏れ・矛盾チェック
進捗状況の把握NotionのWBSデータベースと連携した進捗管理
各種ドキュメントのレビュー支援AIによる客観的なレビューと改善提案

Obsidian × Cursor 連携の仕組み

[Obsidianナレッジベース]
  ├─ テンプレート集
  ├─ 過去プロジェクトの知見
  ├─ ベストプラクティス
  └─ 議事録・業務フロー
         ↓ 参照
[Cursor(AI対話環境)]
  ├─ 計画書作成
  ├─ WBS生成
  └─ ドキュメントレビュー
         ↓ MCP連携
[Notion(タスク管理)]
  └─ WBSデータベース・進捗管理

業務フロー作成テンプレートパック

すぅ AI駆動PM が提唱・公開している業務フロー自動生成アプローチ。詳細は 【テンプレートパック公開】Cursorで業務フローをつくる を参照。

3ステップ実践手順

Step 1: Draw.io Integration: Mermaid plugin をインストール

Cursor の Extensions で「Draw.io Integration: Mermaid plugin」を検索してインストール。これにより .drawio ファイルを Cursor 上で直接編集できる。

Step 2: テンプレートパックを作成(成否の9割を決める準備)

ファイル役割
業務詳細書テンプレート.mdAIに業務内容を構造的に理解させる(最重要)
業務フロー図テンプレート.drawioスイムレーン・記号体系の標準化
チェックリストテンプレート.md品質・整合性の検証(任意)
業務フロー作成ガイド.mdベースプロンプトとして機能(最重要)

統一採番ルール: P-XXX(プロセス)/ F-XXX(ファイル)/ S-XXX(システム連携)

Step 3: 実行

@業務フロー作成テンプレートパックを参照して @[業務情報ファイル] の業務フロー作成して

AIが自動実行する作業: ベースプロンプト読み込み → 業務詳細書の分析・構造化 → Draw.io XML コードの自動生成 → 時系列・整合性の品質チェック

  • 活用効果: 業務フロー作成時間を 2〜3時間 → 5分 に短縮
  • 生成結果はそのまま Draw.io エディタで修正・調整可能(ドラッグ&ドロップ対応)

draw.io との使い分け

方式用途特徴
MermaidCursor 内でプレビューが必要な場合エディタ内で直接確認できる。複雑な図は制約あり
draw.io完成品として共有・印刷する場合XML を draw.io に貼り付け。表現力が高い

Tip

テンプレートパックには Cursor → draw.io XML 出力の安定化プロンプトが含まれている。PM研究所メンバーは無料で利用可能。

Mermaid制約(Cursor環境)

Cursor環境でのMermaid図(フローチャート・シーケンス図)表示には制約がある(すぅ AI駆動PM v1.5ルール):

  • 1図あたり主要要素 15個程度以下
  • ノードテキストに : @ () などの特殊記号を使用しない
  • %% コメントをコードブロック内に書かない
  • graph TD / sequenceDiagram の2種類を目的で使い分ける

文章執筆への応用(AIファースト環境)

骨しゃぶり(honeshabri) による実践。コーディングではなくブログ記事・エッセイ等の文章執筆にCursorを使うアプローチ。詳細は Cursor 文章執筆(AIファースト環境) を参照。

マルチルートワークスペースによる執筆環境統合

ワークスペース設定:
- メインフォルダ: ~/GitHub/Articles/[記事フォルダ](Git管理)
- 追加フォルダ: ~/iCloud Drive/Obsidian Vault(非Git管理)

Obsidian Vaultをワークスペースに追加することで、CursorのAIがVault内の全ノートを自律的に探索・参照できる。「先週書いたあのアイデアを探して」という曖昧な指示だけでAIが関連情報を発見・統合する。

代表的な執筆プロンプト

# 構成案生成
「まとまっていないアイデアを整理して核となるテーマと構成案を提案して」

# 文章洗練
「`writing_style.md` を読んでより正確な記事文体に近づけて」

# 編集者視点
「`structure.md` と `target_audience.md` を読んで編集者視点での意見がほしい」

AIファーストの核心原則

AI活用の鍵はツールそのものよりも、情報管理の方法にある。

Markdownによる情報一元管理(下準備)が整って初めて、CursorのAIエージェントは本来の能力を発揮する。

エンジニア向け機能詳細(まさお(AI駆動開発)解説)

1500時間の実践経験を持つ まさお(AI駆動開発) による解説。実践的開発速度 6〜10倍 の達成事例に基づく。

機能レイヤー全体像

[Tab補完]           ← コード入力中の自動提案(複数行・カーソル予測)
[Chat]              ← コードの探索・理解・クイックQA
[Composer Normal]   ← コード生成・リファクタリング・Diff確認→Apply
[Composer Agent]    ← マルチファイル自律生成・エラー自動修正・コマンド実行  ★本命

「開発者が補助、AIが主体でコードを書く」スタイルを実現する。 Composer Agent が最大の価値提供源。

Tab補完の特徴

  • 複数行補完:繰り返し処理のボイラープレートを丸ごと生成
  • スマートリライト:変数名だけでなく複数の関連箇所を一括修正提案
  • カーソル予測:次に編集すべき箇所に自動でカーソルを移動

GitHub Copilot との差:Cursor Tab は「複数箇所の同時修正提案まで踏み込むUX」が特徴的。

Codebase Index(インデックス化)

Cursor がプロジェクトを開くと全コードをインデックス化し、プロジェクト文脈に根ざした補完を実現する。

動作の仕組み(RAGベース・推測):

  1. チャンク化:tree-sitter でコードを文法的な小単位に分割
  2. Embedding:OpenAI Embedding API でベクトル化 → リモート Vector DB に保存(コード本体はサーバーに保持しない)
  3. 自動同期:コード変更のたびに自動更新

設定オプション:

  • .gitignore / 独自除外設定でインデックス対象外ファイルを指定
  • ローカルモード:コードをサーバーに一切送らない設定(埋め込みデータのみリモート)

Chat vs Composer の使い分け

モード目的主な用途
Chat探索・理解コードへのQA・特定ファイルの質問・エラー確認
Composer Normal実装作業コード生成・リファクタリング・Diff確認→Apply
Composer Agent自律実装マルチファイル横断生成・エラー自動修正・コマンド実行

Composer Agent の詳細

  • 「○○という機能を作って」と指示するだけで、マルチファイルを横断的に生成・修正
  • 途中でエラーが出た場合もAIが検知し、自動で修正案を再提案
  • ターミナルコマンドまで提案・実行(確認プロンプトあり)
  • Yolo Mode:コマンドの自動実行を許可するかどうかの設定
  • 0→1開発ではLP・REST APIエンドポイント・DBマイグレーションまで一気に生成
  • 大規模プロジェクトでも、機能追加時に関連クラス・APIを自動修正

Agentモードの破壊的変更リスク

大規模リファクタ前は必ずコミット。差分が大きすぎる場合はブランチを分けて進める。「差分チェック→取り込み→テスト」のサイクルを習慣化すること。

コンテキスト指定(@メンション)

  • @codebase:プロジェクト全体をコンテキストに
  • @docs:登録した外部ドキュメント・API仕様を参照
  • @folders:特定フォルダを対象に
  • @Notepad:Notepad に保存したメモをコンテキストに

プロジェクト設定ファイル

  • .cursorignore:インデックスから外したいファイル・フォルダを指定(大規模プロジェクトで必須)
  • .cursorrules(現在は ProjectRules に進化):コーディング規約・AIの出力スタイルをプロジェクト単位で定義

.cursorrules の例:

  • 「Reactコンポーネントは src/components/ 下へ配置してほしい」
  • 「変数名は英語でスネークケース」

エンジニア運用ベストプラクティス

  1. こまめなコミット:Agentに大規模リファクタを頼む前に必ずコミット
  2. ドキュメント並行更新:コードとドキュメントをAgentで同時進行してドキュメント負債を防ぐ
  3. .cursorrules の整備:チームのコーディング規約を明示してAI提案の品質を安定化
  4. .cursorignore の活用:大規模リポジトリでは不要フォルダを除外してAIの混乱を防ぐ
  5. チームで使用方針を共有:Agentモードをどの段階で使うか・どれくらい権限を与えるかを明文化

社内導入に関する注意点

  • 利用のハードルは技術面よりも社内規則(AIツール・クラウドサービスの利用制限)
  • 上場企業での申請・導入事例もあり、比較的ポピュラーなツールになりつつある
  • 個人PCであれば社内制約を回避して活用しやすい

料金・プラン

Cursor の公式料金体系。詳細は Cursorのモデルと料金 を参照。

個人プラン

プラン含まれる API エージェント使用目安ユーザー
Pro$20 分 + ボーナスDaily Tab / Limited Agent ユーザー
Pro Plus$70 分 + ボーナスDaily Agent ユーザー(月 100 想定)
Ultra$400 分 + ボーナスPower ユーザー(複数エージェント/自動化、月 $200+)

全プランに無制限のタブ補完・Bugbot・Background Agents アクセスが含まれる。上限超過後はオンデマンド追加 or プランアップグレードを選択できる。

Teams プラン

プラン月額主な追加機能
Teams$40/userPrivacy Mode 強制・管理者ダッシュボード・SAML/OIDC SSO
Enterpriseカスタム使用量プール・請求書払い・SCIM・高度なセキュリティ

Auto モード

タスクに最適なプレミアムモデルを自動選択。出力劣化を検知してモデルを自動切り替えする。

  • Input + Cache Write: $1.25 / 1M tokens
  • Output: $6.00 / 1M tokens
  • Cache Read: $0.25 / 1M tokens

Max Mode

一部モデルで対応する高負荷モード。最大 1M トークンまでの長尺推論と大きなコンテキストウィンドウを扱える。使用量の消費は増加する。

Bugbot(別製品)

Cursor サブスクリプションとは別の製品・別料金。PR の自動コードレビュー機能。Pro 40/user/月 / Enterprise カスタム。

Background Agent

選択したモデルの API 料金で課金。初回利用時に支出上限額を設定する。VM コンピュート費用は今後価格設定予定。

Claude Code との比較

Cursor は API ベースの従量課金(プラン内の 400 分 + オンデマンド追加)。Claude Code 料金・プラン はサブスクリプション固定枠(Pro 100 / Max 20x $200)+ Extra Usage。用途・使用量に応じて使い分けを検討する。

Cursor で使える Claude 系モデルの選択

Cursor では設定画面から Claude 系モデルを選択できる。2025年10月時点で利用可能な主要モデルと用途別の使い分け指針。(→ 詳細は Claudeモデル比較(Cursor環境)

モデルコスト感用途
Claude Opus 4.5高(Sonnet の約1.7倍)アーキテクチャ設計・難解バグ修正
Claude Sonnet 4.5標準(デフォルト推奨)日常コーディング・ドキュメント作成
Claude Haiku 4.5低(Sonnet の約1/3)ログ解析・定型テキスト・バッチ処理
  • Sonnet をデフォルトに設定し、難しい課題のときだけ Opus に切り替えるのがコスト最適
  • Auto モードでは Cursor がタスクに応じてモデルを自動選択する

Web・モバイル版(Background Agent)

2025年7月に正式リリース。スマートフォン・タブレット・任意のブラウザから Cursor の Background Agent を利用できるようになった。詳細は Cursor Web・モバイル版(Background Agent) を参照。

k_ohmikawa による iOS 実機レビュー(スマホでアプリ開発! Cursorのウェブ・モバイル版を試してみた)にて、PWA インストールから PR 作成・マージまでのスマホ完結フローが実証された。

主な特徴

  • https://cursor.com/ja/agents にブラウザでアクセスするだけで利用可能
  • iOS Safari からの PWA インストールでネイティブアプリ感覚で使用可能
  • GitHub リポジトリと連携し、自然言語指示でバックグラウンドにてブランチ作成→ファイル生成→PR作成→マージが完結
  • Slack 連携により @Cursor メンションでチーム開発フローに組み込める

関連