数値化の鬼――「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法

安藤 広大(識学 代表取締役社長)による仕事術・マネジメント実践書。Kindle ASIN: B09PV144BN。37ハイライト取得。「数字で考え、数字で動く」ことを徹底する識学の思考法を体系化した一冊。

核心メッセージ

仕事に必要な「たった1つの思考法」は、数値化である。具体的には次の2点が前提:

  • 「数値化された評価を受け入れる」
  • 「自分の不足を数字として受け入れる」

「仕事ができる人」はこの2点を受け入れた上で、以下の5ステップを正しい順番で実行する。

5ステップ:数値化の鬼への道

ステップテーマ内容
Step 1行動量を増やす自分の行動の数を正確に数えること(第1章)
Step 2確率のワナを避ける割り算による安心感のワナに気をつけること(第2章)
Step 3変数を見つける仕事の中で何に集中するかを考えること(第3章)
Step 4真の変数に絞るムダな変数を削り、さらに重要な変数に絞り込むこと(第4章)
Step 5長い期間から逆算する短期的と長期的、2つの軸で物事を見ること(第5章)

主観的言語の排除

形容詞・形容動詞・副詞は客観性がないため、仕事の場では危険:

  • 形容詞・形容動詞:「早い・遅い」「好き・嫌い」「良い・悪い」
  • 副詞:「よく」「とても」「もっと」「すごく」「かなり」

これらを数値に置き換えることが「数値化」の第一歩。

PDCA × 数値化

PD(計画・行動)フェーズ

  • P(目標)D(行動) を明確に分解して伝えることで部下は動ける
  • 計画を立てるだけで「働いた気」になることへの警戒
  • 目標を「覚えていない状態」は地図を持たずに歩くのと同じ

C(確認)フェーズ

確認でやるべきことは「やったことに意味づけをするのではなく、明らかに結果・成果につながったことを見つけ出す」こと:

  • 「目標の成果につながる行動を何回とっただろうか」
  • 「目標の成果につながる仕事を何時間やっただろうか」

A(改善)フェーズ

確認と必ずセットで「次はどうするか?」の仮説を考えることが改善(A)の本質。

評価指標は5項目以下に絞る

識学の推奨:評価項目は5項目以下、かつ第三者が見ても明らかな数値のみ。

3つのメリット:

  1. 上司と部下の間で認識のズレが生じない
  2. 多面評価が不要になり、評価確定にかかる時間を大幅カットできる
  3. 社員全員が目標を記憶できる(→ すぐにD(行動)に移れる → 行動量が増える)

数値化しにくい職種への対応

管理部門等でも「数字で測れる部分を見つける」ことが可能:

  • ミスの回数
  • 業務改善数
  • 期限遵守率
  • タスクのポイント化
  • 案件継続率
  • 他部署へのトスアップ件数

変数・定数の概念

変数を見つける

「変数」=仕事の中で成果に影響する因子。見つけるにはやることを時系列で整理するのがポイント。

変数を絞る(捨てる)

KPIが多すぎると余計なことを考える時間が増える。対策は「変数を捨てる」:

  • 個人として:前例を手放し、他に変数がないかを考える
  • チームとして:上司・リーダーが「それは変数ではない」と指示する

有名な投資家の例:やりたいこと10個を書き出し、上位3つを「To Doリスト」、残り7つを「Not To Doリスト」にする。最終的には1つに絞ることが理想。

変数 → 定数への変化

「頑張っているのに目標の数字に反映されない」なら、それは「変数」が「定数」になったサイン。変数の見直しが必要。

危機意識と変数の見直し

現状維持を許さず、つねに成長させる機会を与え「変数を見直さざるを得ない」環境をつくることがマネジメントの役割。

長期逆算思考

「5年後・10年後はどうなるか」をセットで考え、長期目標から逆算して短期KPIを設計する:

  • 5年後になっているべき姿
  • → 1年後の目標
  • → 1週間に何をやるべきか
  • → 今日1日の過ごし方

「5年後の姿」と「今日のKPI」はつながっている、という感覚が仕事の一本の線になる。

マネジャーの役割

  • 部下がKPIに取り組んでいるかどうかを見極めること
  • 「迷いなく行動量を増やせる環境」をつくること
  • まだ結果が出ていなくても「この方向性で間違いない」と確信できる状態を作り出す

仕事ができる人の「順番」

「仕事ができる人」はこの順番を守る:

先にやること後にやること
数字の成果自分らしさ
数字の根拠言葉の熱量
まずやってみる理由に納得する
チームの利益個人の利益
行動量を増やす確率を上げる
長期的に考える逆算して短期的に考える

「仕事ができない人」は順番を入れ替えて、下の要素を先に考えてしまう。

関連概念・リンク

外部参照

  • ASIN: B09PV144BN
  • 著者: 安藤 広大(識学 代表取締役社長)