プロジェクト源内
デジタル庁が内製開発した、行政業務特化の生成AIアプリケーション基盤プロジェクト。ガバメントAX推進の中核として、2025年度から運用・推進担当の大杉直也が牽引する。
名前の由来
- 生成AIを英語略称で「GenAI」と書くことから「源内」と命名
- さまざまな生成AIアプリケーションの発明が集まってほしいという願いを込めた(平賀源内への連想)
最重要3原則
- UIとAIアプリの独立性: 業務特化の生成AIアプリケーションは追加開発しやすいよう、ヒューマンインターフェースとは独立に開発可能
- 要機密情報対応: 職員が安心・安全に使えるWebアプリケーションの展開(要機密情報取り扱い可能)
- 気軽な試用環境: そのWebアプリケーションで業務特化AIアプリを追加し、職員が気軽に試せる
技術構成
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| ベース | Amazon Web Services の GenU(Generative AI Use Cases)を改変 |
| 追加① | マイクロサービス型の生成AIアプリ(行政実務用AIアプリ)の追加・実行機能 |
| 追加② | チーム機能(AIアプリの認可管理) |
| クラウド | AWS主体だが、Google Cloud の Gemini を用いたアプリも実行可能 |
ガバメントAI横展開4段階課題への対応
プロジェクト源内は、以下の4段階課題の解消を技術検証の目的とする。
| 段階 | 課題 | 解消手段 |
|---|---|---|
| 段階1 | 成功事例を知らない | 記述の共通化による検索性向上 |
| 段階2 | 導入効果が不明瞭 | 記述に効果・コスト算出方法を含める |
| 段階3 | 導入方法がわからない | 代表的な実装パターンの公開 |
| 段階4 | 実現コストが高い | 共通UIへの追加調達(コピー構築・マルチテナント化)で低コスト化 |
共通化に向けた3つの検討テーマ
記述(ドキュメント)の共通化
AIエージェントの概要・機能・業務での具体的効果・必要データ・セキュリティ懸念・運用費用・導入時留意点などを標準フォーマット化する。
約束(プロトコル)の共通化
- ヒューマンインターフェース↔生成AIアプリ間の通信プロトコル(入出力形式・認証認可・非同期処理方式)
- UIの類型(チャット型・ファイル入力型・校正・翻訳など)
代表的な実装パターンの共通化
- 複数ファイルの入出力
- 非同期処理で大量データを扱う場合
- マニュアル等の特定書類を参照する場合
- AIが自律再実行してさまざまな外部リソースにアクセスする場合(AIエージェント型)
展開状況
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年5月 | デジタル庁全職員向けに展開開始 |
| 2025年8月 | 開始3か月経過時点の利用実績を公開 |
| 2025年8月 | 「子ども霞が関見学デー」での活用(準備期間の短縮に貢献) |
| 2025年度末 | 希望する他省庁職員への展開を視野 |
今後の方向性
- 技術検証の結果を公開
- 企業・産業界との共通ルール化に向けた協議(民間からの声・ボランティア参加を求める)
- ソフトウェアの商用利用可能なライセンスでの公開検討
- アクセシビリティを意識した実装の公開(「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」の実現)
位置づけ
プロジェクト源内は行政業務特化AIの「全てをデジタル庁で内製開発する」試みではない。「記述」「約束」「代表的な実装パターン」のあるべき姿を明らかにするための技術検証基盤として位置づけられている。