山本義徳 業績集8 筋肥大・筋力向上のプログラミング
著者: 山本義徳 ASIN: B076ZTKXCV ハイライト数: 43件
概要
筋肥大・筋力向上のプログラム設計を科学的に解説した実践書。筋肉が増えるメカニズム(超回復論を否定しストレス応答論を採用)から、トレーニング頻度・セット数・レップ数・インターバル・分割法・ピリオダイゼーション・マンデルブロ・トレーニングまでを体系的にカバーする。
章別まとめ
第一章:筋肥大のメカニズム
- 筋肉が増えるのは「超回復」ではなく「ストレス応答(トレーニング)」によるもの
- トレーニングは mTORC1 を活性化し、ミオスタチンを減らすことで筋肉を増やす
- 筋肉には「発達のための最低限の刺激」を与えれば良い(やり過ぎ不要)
- 適応の3段階:警告反応期(ショック相→抗ショック相)→抵抗期→疲弊期(オーバートレーニング)
第二章:トレーニング頻度
- ハードに行う場合:各部位を中4〜5日程度あけて
- あまりハードにやらない場合:週2回
- 週1回の刺激では頻度が空きすぎ
第三章:セット数
- 追い込んで行う場合:1〜2セット
- 追い込まずに行う場合:4セット前後
第四章:レップ数と挙上速度
- ポジティブ(挙上)は爆発的に行うこと
- 羽状筋は高重量・低回数に反応しやすい
- 低レップス(3〜5回)でも中レップス(8〜12回)でも筋肥大効果に大きな差はない
- ただし筋力向上効果は低レップスのほうが有利
- TUT(Time Under Tension):筋形質増大フェイズでは TUT 40秒程度(8〜15 レップス)が目安
第五章:インターバル
- 肩・腕などの小さい筋肉:2〜3分
- 背中・脚などの大きい筋肉:4〜5分
第六章:分割法
- 注意点:上腕二頭筋をやった翌日に背中、上腕三頭筋をやった翌日に胸はNG
- 何日も連続してトレーニングしない
- 各部位をできるだけフレッシュな状態で刺激する
- 一日のトレーニング量が均等になるようにする
- 相反神経支配を利用した分割:拮抗筋を同日に組み合わせる
- 推奨分割例:「胸+背中」「肩+腕」「脚+腹」
ピリオダイゼーションのモデルプログラム
- 筋形質増大フェイズ:3〜4週間 / TUT 40秒(8〜15レップス)/ 4セット(追い込まず)
- 収縮タンパク質増強フェイズ:3〜4週間 / 2〜5レップス / 1〜2セット(追い込む)or 3〜4セット(追い込まず)
- ネガティブフェイズ:2週間 / ネガティブ最大筋力の80%で3〜6レップス / レストポーズ法を採用可能
- 回復フェイズ:2〜3週間 / ケーブル・マシン中心 / 15〜20レップス / 2〜3セット
マンデルブロ・トレーニング
3フェイズのサイクルで反復するプログラム設計:
| フェイズ | レップス | 内容 | セット数 | 使用重量 |
|---|---|---|---|---|
| Phase 1 | 8〜10回 | 通常ボディビルプログラム | 追い込む1〜2 / 追い込まない4 | メイン重量 |
| Phase 2 | 3〜5回 | ヘビーウェイト / ネガティブ / レストポーズ | 3〜4セット(追い込まず) | マックスの90〜95% |
| Phase 3 | 25〜40回 | ハイレップス | 4セット | マックスの35〜40% |
サイクル順:Phase 1 → Phase 2 → Phase 3 → Phase 1(繰り返し)
ウォームアップ基準:
- Phase 1:40%で12〜20回 → 70%で4〜6回 → メインセット
- Phase 2:40%で12〜20回 → 70%で4〜6回 → 85%で2〜3回 → メインセット
- Phase 3:いきなりメインセット可
インターバル:全エクササイズ共通3分を目安。各部位2〜3エクササイズ。
レストポーズ法の手順
- 3回は確実にできるが4回目は不確かな重量を選ぶ
- 3回実施 → バーをラックに戻す → 20〜30秒インターバル
- 再度1〜2回実施 → 30〜40秒インターバル
- 最後に1〜2回実施 → セット終了