部下をもったらいちばん最初に読む本
著者: 橋本拓也 ASIN: B0DK2XCZW2 形式: Kindle(ハイライト66件)
概要
初めてマネジャーになる人向けのマネジメント実践書。著者が「リードマネジメント」と名付けた体系を5つの技術に分け、部下の成長を通じて組織パフォーマンスを最大化する方法を解説する。
リードマネジメントの5技術
- リーダーシップの技術 — 目的・ビジョンを示し、メンバーのワクワクを生み出す
- 個人の成長支援の技術 — 左手(目的・目標)と右手(行動)を一致させる支援
- 水質管理の技術 — チームの文化・雰囲気(水質)を健全に保つ
- 委任する技術 — 育成の意図を持ちながら仕事を任せる
- 仕組み化する技術 — 個人の成長と組織目標達成のための場・ルーティンを設計する
主要概念
マネジメントの定義
アメリカのマネジメント協会の定義:「人を介して仕事をする技術」。メンバーを管理するのではなく、メンバーを仲介して成果を作ること。
リードマネジメントの最終到達点:「メンバーの成長(個々人の目的・目標達成)を通して組織パフォーマンスを最大化すること」
左手と右手のメタファー
- 左手 = 目的・目標(何のために、誰のために、なぜ働いているか)
- 右手 = 行動(実際にやっていること)
自分で左手と右手のギャップを明確にできれば、初めて「埋めたい」という欲求が起こる。マネジャーはいきなり答えを言わず、本人が自ら情報を求める状態を作る。
7つの身につけたい習慣
- 傾聴する — 相手の話を最後まで聞く(最も重要)
- 支援する — 目的・目標達成に必要なアドバイス・情報提供をする
- 励ます — 失敗した人に未来へつながるプラスの力づけをする
- 尊敬する — 相手を「自分より有能」と考え、優れている点を言葉にして伝える
- 信頼する — 「この領域で力を発揮してくれる」と信じて任せる
- 受容する — 異なる意見を真っ向から否定せず、一旦キャッチする
- 違いを交渉する(原文は途中でカット)
7つの致命的習慣(今すぐやめるべき)
- 批判する
- 責める
- 罰する
- 脅す
- 文句を言う
- ガミガミ言う
- 褒美で釣る(外的コントロール・ボスマネジメント)
信頼構築の2原則
- 小さな約束を守る — 特に時間の約束
- 陰で批判しない — 裏表があることが信頼を最も損なう
水質管理(組織文化)
チェスター・バーナードの組織成立3条件:
- 共通目的 — 組織のパーパス(誰のために、なぜ存在するか)
- 協働意欲 — 互いに協力し合う意識
- コミュニケーション — 一人ひとりが役割から発信する
水質(文化)は一気に変えず、半分ずつ少しずつ変える。
委任の技術とプライオリティ・マネジメント
プライオリティ・マネジメント(優先度管理)に基づく仕事の4象限:
| 象限 | 重要度 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 第1象限 | 高 | 高 |
| 第2象限 | 高 | 低 |
| 第3象限 | 低 | 高 |
| 第4象限 | 低 | 低 |
- マネジャーが集中すべきは第2象限(重要だが緊急でない)の仕事
- 第1象限の仕事を委任することで第2象限へ移行できる
- 委任の目的は「メンバーの成長の機会につながること」
マネジャーの第2象限5仕事:リクルーティング・マーケティング・トレーニング・マネジメント&モチベート(M&M)・同行指導
松下幸之助の「任せて任せず」
「仕事は大胆に任せる、しかし任せっ放しではいけない。適時適切に報告を聞き、事と次第によっては的確な指導、助言を与えなければならない。それが責任者の務めである」
パレートの法則(80:20の法則)
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見。「全体の2割の要素によって、結果の8割が生み出されている」。仕事では「2割の優先事項をきちんと実行することが成果の8割を決定する」。
フィードバックの定義
フィードバック = 「目指す成長に対する現状の情報提供」。航空機のオートパイロットと同じく「このまま進めて予定通りにいくかどうかの情報提供」。
仕組み化の実践
- チーム会議 — 目的・目標への立ち返り・好事例共有・価値観メッセージ・進捗・アクションプラン
- 1on1面談 — 半年振り返り(良かったところ・もっと良くできること)→ 次半年の目標
- 朝礼 — 今日1日の流れと最重要目標を共有(15分でも可)
- グレード基準 — 各グレードで「何ができるようになっているか」を明確にし共通言語化
キーハイライト
メンバーが成果を出せなかったり態度が良くないのは、すべてマネジャーのマネジメントの質の結果と考えるようにしましょう。
「皆さんは、一人ひとりが自分株式会社の代表取締役です」
組織は多くの仲間が人生を懸けて選んだ自己実現の舞台です。