ファシリテーター型リーダーシップ
**「チームメンバーの才能と情熱を解き放つ」**ことを核心に置くリーダーシップスタイル
伊藤羊一が提唱。従来の「引っ張って指導する」リーダー像に対し、リーダーを「環境をつくり、メンバーが輝く場を設計する人」として再定義する。
核心定義
「チーム全体を引っ張って『指導していく』のではなく、会議や1on1ミーティングでメンバー一人ひとりの想いを引き出し、何に心躍るかを感じ取ってもらい、本人が成長するサポートをしていく」(伊藤羊一)
役割の2軸
- 環境づくり — メンバーが主体的に動ける心理的安全でフラットな場をつくること
- 才能と情熱を解き放つ — 個々の強みと動機を引き出し、それを仕事に結びつけること
「有事はfollow me、平時はafter you」
状況に応じてスタンスを切り替えることが成熟したファシリテーター型リーダーの特徴:
| 局面 | スタンス | 行動 |
|---|---|---|
| 平時(通常業務) | after you(あなたに任せる) | メンバーの裁量を尊重し、後押しする |
| 有事(緊急対応) | follow me(ついてきてくれ) | 明確な方向を示し、力強くチームを引っ張る |
スタンスの固定化(常にfollow meか常にafter you)が機能不全の原因になる。
チームの出発点:共通ゴールの共有
ファシリテーター型リーダーが最初にやることは「共通ゴール」を全員で共有すること。
「チームは必ず共通のゴールがある。それはそうだ。共通のゴールがあるからチームなのだ」
ゴールが曖昧なままでは、ファシリテーションをかけても力が分散する。
新しい価値創造との接続
「新しい価値を生み出すためには、一人ひとりの価値観が重要になってきている」——多様な価値観を力に変えるには、各メンバーが主役になれるフラットな場が必要であり、そのための設計者がリーダーである。
識学との対比
比較
識学は「ルールと責任の明確化」「指示の徹底」を軸とする対照的なリーダーシップ論。識学は組織の規律整備に強く、ファシリテーター型は創造性・エンゲージメント向上に強い。現場の成熟度・業務特性によって使い分けられる。
関連
- 1on1ミーティング — ファシリテーター型リーダーシップの主要ツール
- 心理的安全性 — フラットな場の前提条件
- 組織開発 — 上位概念
- エンゲージメント(従業員) — ファシリテーターがもたらす主要成果
- 伊藤羊一
- 「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ