性弱説
安藤 広大(識学)が組織マネジメントの前提として置く人間観。「人間は弱い存在であり、放っておくと楽な方向(属人化・惰性)に流れていく」という考え方。
「性弱説を前提に考えたほうがいい」「組織は放っておくと属人化していく」
性善説・性悪説との違い
| 人間観 | 内容 | マネジメントへの含意 |
|---|---|---|
| 性善説 | 人間は本来善である | 信頼ベース・自由度の高い組織運営 |
| 性悪説 | 人間は本来悪である | 監視・統制ベースの厳格な管理 |
| 性弱説(識学) | 人間は弱い存在で環境に流される | 仕組みで「正しい行動」を促す設計 |
組織マネジメントへの応用
性弱説を前提にすると、「意思の力・やる気・モチベーション」に頼るマネジメントは機能しないことがわかる。
代わりに設計すべきもの:
- 明文化されたルール(「書いていないことで罰しない」)
- 期限の絶対化(報告・見積りのルール化)
- 責任と権限の明確化(自由に動ける範囲の明示)
- 評価の透明化(達成基準・未達基準の言語化)
モチベーション論との接続
モチベーションは、会社や上司が与えるものではなく、プレーヤーの人たちに自主的に発生するものであり、そういう環境をつくるのが大事なのです。
性弱説の立場からは、上司がモチベーションを与えようとすること自体が設計ミスとなる。モチベーションが自然に発生する「環境(仕組み)」を作ることが本質。
組織が自然に属人化する理由
人間が弱い(変化を嫌い、楽な方向に流れる)からこそ:
- スキルを共有せずに「自分だけの強み」として抱え込む
- 「自分が辞めたら困るポジション」を作ることに快感を覚える
- マニュアル化・言語化という手間のかかる仕事を先送りする
→ 意図的に仕組み化しなければ、組織は必ず属人化する。