会計とファイナンスの違い
核心の一言
会計は「利益」を扱い、ファイナンスは「キャッシュ」を扱う
— 石野 雄一『ざっくり分かるファイナンス』
会計(Accounting)
企業の経済活動を記録・集計・報告する学問・実務体系。利益を中心指標とする。
財務会計 vs 管理会計
| 種類 | 目的 | 対象 |
|---|---|---|
| 財務会計 | 外部への報告 | 株主・金融機関・税務署など |
| 管理会計 | 経営者の意思決定支援 | 経営者・経営管理者(社内) |
- 財務会計は法令・会計基準に従った標準化された報告が必要
- 管理会計は経営判断のためのカスタマイズされた分析が中心
バランスシートと損益計算書の関係
- バランスシート(BS): 決算日における資金の「調達と運用」を表す
- 損益計算書(PL): BSの変化の原因となる利益・損失を表す
- 収益 − 費用 > 0 → BSの剰余金が増加
- 収益 − 費用 < 0 → BSの剰余金が減少
ファイナンス(Finance)
企業価値の最大化を目的とし、キャッシュフローを中心指標とする。
会計との主な違い
| 観点 | 会計 | ファイナンス |
|---|---|---|
| 中心指標 | 利益(Profit) | キャッシュ(Cash Flow) |
| 時間軸 | 過去〜現在の記録 | 将来の価値予測・評価 |
| 主な用途 | 報告・税務 | 投資判断・資本政策 |
ファイナンスの主要概念
- WACC(加重平均資本コスト) — 企業の資金調達コスト
- CAPM(資本資産価格モデル) — 株主資本コストの算出モデル
- 現在価値・将来価値(時間価値) — 時間によるお金の価値変化
- NPV(正味現在価値) — プロジェクト価値評価指標
- IRR(内部収益率) — 投資判断のハードルレート比較指標
なぜ利益とキャッシュは違うのか
会計上の「利益」は減価償却・引当金・収益認識タイミングなどの会計処理によって、実際の現金の動きとズレる。ファイナンスが「キャッシュ」にこだわる理由は、企業が実際に使える資金=キャッシュこそが事業継続・投資実行の原資だからである。
関連ソース
- ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~(石野 雄一)