現在価値・将来価値(時間価値)
概要
お金には**時間価値(Time Value of Money)**がある——同じ金額でも、今手に入れるお金と将来手に入れるお金では価値が異なる。ファイナンスにおける投資評価(DCF法・NPV・IRR)の根幹となる概念。
将来価値(FV: Future Value)
将来価値とは、今のお金を複利で運用した場合に、将来どれくらいの価値になるのか——石野 雄一
FV = PV × (1 + r)^n
- PV: 現在価値
- r: 利回り(割引率)
- n: 期間(年数)
例: 100万円を年率5%で3年運用 → FV = 100 × (1.05)^3 ≒ 115.76万円
現在価値(PV: Present Value)
将来のキャッシュフローを現在の価値に換算したもの。将来価値の逆算。
PV = FV / (1 + r)^n
例: 3年後の115.76万円を年率5%で割り引く → PV = 115.76 / (1.05)^3 ≒ 100万円
割引率と現在価値の関係
割引率が高くなると現在価値は低くなり、割引率が低くなると現在価値は高くなる——石野 雄一
| 割引率 | 影響 | 理由 |
|---|---|---|
| 高い | 現在価値が小さくなる | より高いリターンを求めるため将来価値を厳しく割り引く |
| 低い | 現在価値が大きくなる | リターン要求が低いため将来価値を寛大に評価する |
DCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法
DCF法は将来生み出すキャッシュフローすべてを現在価値に割り引いて合計する手法。
DCF = CF1/(1+r)^1 + CF2/(1+r)^2 + ... + CFn/(1+r)^n
- CF: 各期のキャッシュフロー
- r: 割引率(通常はWACC(加重平均資本コスト)を使用)
実務での活用
- 企業価値評価: 将来FCF(フリーキャッシュフロー)をWACCで割り引いて企業価値を算出
- 投資プロジェクト評価: NPV(正味現在価値)・IRR(内部収益率)の計算基盤
- 資本コスト: CAPM(資本資産価格モデル)で求めた株主資本コストが割引率の根拠となる
関連概念
- NPV(正味現在価値) — DCFの合計から初期投資を引いたもの
- IRR(内部収益率) — NPV=0になる割引率
- WACC(加重平均資本コスト) — DCFで使う割引率
- CAPM(資本資産価格モデル) — 割引率(株主資本コスト)の算出
- 会計とファイナンスの違い — ファイナンスがキャッシュを重視する理由
関連ソース
- ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~(石野 雄一)