ウェイトトレーニングのテクニック

著者: 山本義徳 シリーズ: 山本義徳 業績集9 ASIN: B078P3CFTD ハイライト数: 90件

概要

ウェイトトレーニングで筋肥大・筋力向上を最大化するための各種テクニックを体系的に解説した実践書。追い込みテクニック(チーティング・ネガティブ・フォーストレップス)、インターバル活用法(レストポーズ・クラスタートレーニング)、可動域操作(パーシャルレップス・バーンズ)、セット組合せ法(スーパーセット・GVT・POF)を網羅する。

主要テクニック体系

1. 基本概念

  • ストリクト: 反動を使わず正確なフォームで挙げること
  • スティッキング・ポイント: ストリクトでウェイトが止まってしまう最も難しい部分
  • チーティング: スティッキング・ポイントを乗り越えるために反動を利用する手法(本来の目的)
  • ポジティブフェイラー(Positive Failure): ストリクトではコンセントリック(挙上)ができなくなった状態

2. 筋収縮の3様式

様式別名内容発揮筋力
コンセントリックポジティブ筋肉が縮みながら力を出す最小
アイソメトリックアイソメトリクス筋肉の長さが変わらず力を出す
エキセントリックネガティブ筋肉が伸びながら力を出す最大

重要: 発揮筋力はエキセントリック > アイソメトリック > コンセントリック。筋肥大効果もエキセントリックが最も高い。

3. 追い込みテクニック

  • ネガティブ(エキセントリック)トレーニング: ポジティブフェイラー後にチーティングで持ち上げ、ネガティブをゆっくりコントロールしながら下ろす。オーバーワークになりやすいため多用注意
  • ネガティブオンリー(ピュアネガティブ): ネガティブのみで負荷をかける方法
  • フォーストレップス: 自力で挙がらなくなったところで補助者の力を借りてレップを達成する。スティッキング・ポイントのみ補助するのが正しい使い方。神経系を疲労させるため多用は非推奨

4. インターバル活用テクニック

  • レストポーズ法: 90%1RM × 数回→20秒インターバル×複数セットで1セット完結。高重量+多モーターユニット動員+短時間が特長
  • クラスタートレーニング: 85%1RM×余裕を残した少レップス+5〜10秒の超短インターバルを繰り返す。瞬発力・パワー向上に有効(エリートラグビー研究)

5. 可動域操作テクニック

  • パーシャルレップス: フルレンジではなく部分的な可動域で高重量を扱う手法。ハーフスクワット・クォータースクワットなど。神経系改善のみで筋肥大効果は限定的
  • ワン・アンド・ア・ハーフ: フルレンジ1回+ハーフレンジ1回を交互に行い、ストレッチポジションとコントラクトポジション両方を刺激
  • 21カール: バーベルカールを「ボトム→90度(7回)」「90度→トップ(7回)」「フルレンジ(7回)」の21回で各可動域を分割して追い込む
  • バーンズ: パーシャルレップスのバリエーション。フェイラー後の極小可動域でリズミカルに動かし、筋肉の「焼けつき感」(化学的ストレス)を引き出す

6. 化学的ストレス特化テクニック

  • スロー&ノンロック: 軽重量で4〜5秒かけてゆっくり動かし、ロックアウトしない。化学的ストレスを安全に与える。20〜25レップスを目安に
  • 100レップス法: 20〜25回ギリギリできる重量で、バーンズが来たら5秒休みながら合計100レップスを達成する。単関節運動推奨。翌日の強烈な筋肉痛が保証される

7. セット法

  • ドロップセット: 限界に近づいたらインターバルほぼゼロで重量を下げて継続。山本義徳は「物理的・化学的どちらも中途半端」として推奨しない
  • 山本スペシャル: 85〜90%1RM→30%1RM×20回→60%1RM→30%1RM×20回の順番。「軽い重量で遅筋を刺激している間に速筋が回復する」原理を利用
  • スーパーセット法: 2種目を連続で行う(同一部位=コンパウンドセット、拮抗筋=スーパーセット)。トライセット(3種目)・ジャイアントセット(4種目以上)・サーキットトレーニング(全身バラバラ)へ発展
  • アセンディング・ディセンディングセット: 重量を増やしていく(アセンディング)/減らしていく(ディセンディング)手法
  • GVT(ジャーマンボリュームトレーニング): 60%1RM×10回×10セット(インターバル1〜2分)。ドイツのウェイトリフティングチーム由来
  • POF(Positions of Flexion): Iron Man誌 Steve Holman 提唱。ミッドレンジ(多関節)→ストレッチ(単関節)→コントラクト(単関節)の順で各部位を全可動域で刺激する

山本義徳の推奨スタンス

  • 通常は「最大重量で1セット、同じ重量で2セット目も」が基本
  • 物理的刺激と化学的刺激は別々の日に分けて行うことを推奨
  • フォーストレップスとドロップセットは多用を避ける(どちらも中途半端になりやすい)
  • ネガティブはオーバーワークになりやすいため使用頻度に注意

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