結果を出すチームのリーダーがやっていること NECで学んだ高効率プロジェクトマネジメント

著者: 五十嵐 剛 | ASIN: B0CYSNTQL1 | Kindle

概要

NECでのプロジェクトマネジメント経験から導かれた、チームリーダーのための実践書。ボトムアップ手法・権限委譲・スパン・オブ・コントロール・進捗管理・動機付けを体系化した高効率チーム運営の実践メソッド。

主要な主張

1. ボトムアップとトップダウンの統合

  • ボトムアップ(現場の声を反映)はトップダウンよりメンバーのモチベーションを高める
  • トップダウンの指示を「そのままメンバーに伝える」のはリーダーの仕事ではない。指示の狙いと目的を解説しつつ伝えるのが役割
  • 「トップダウンで伝えたいことを、ボトムアップで現場のメンバーから提案してもらう」手法で両立する

2. スローガンによるチーム方向付け

  • 数値目標だけではメンバーは「頑張る理由」を持てない
  • 目標の先にある夢や理想を短いスローガンにして共有することでチームの共感を引き出す

3. Will・Can・Must フレームワーク

  • やりたいこと(Will) = 自己決定感
  • できること(Can) = 成長・発展
  • 役割(Must) = 関連性

この3要素がメンバーのモチベーション設計の軸となる(→ Will-Can-Must フレームワーク

4. 役割指示の設計:6W2H

  • 役割指示には 6W2H(Who/What/When/Where/Why/Whom/How/How much)の要素を明示
  • 特に「誰のために(Whom)」と「いくら(How much)」はビジネスシーンで重要
  • ゴール期限の2要素を明示することで認識の統一ができる

5. スパン・オブ・コントロール

  • チーム規模が8人以上になったらサブリーダーを立てる
  • 直属のサブリーダーを飛び越えたコミュニケーションは基本的に避ける
  • 直属外のメンバーを呼ぶときは、そのメンバーのサブリーダーも同席させる

6. 進捗管理の段階的設計

期間管理方法
即日〜3日口頭指示+直後に復唱
3日〜1週間グループウェア・メールで指示内容を共有
1週間以上担当者自身がガントチャート(作業計画表)を作成
1か月以上毎週進捗確認を追加
  • 初日の業務終了前に中間報告を入れて認識ズレを早期検出
  • 「納期に影響しそうだと思ったときは即報告」を絶対ルールにする

7. 人は「自分で決めたことにしか動かない」原則

  • リーダーが役職権力で「やらせる」姿勢から脱却する信念的転換が必要
  • メンバーにやるか・やらないかの判断を委ねることでモチベーションが最大化する(→ 自律性とモチベーション

8. YES&MORE話法

  • メンバーのイマイチな提案には、まずよい部分を褒め(YES)、次に改善点を差し戻す(MORE)
  • これを「YES&MORE話法」と呼ぶ(→ YES-AND フィードバック話法

9. ルール設計と心理的安全性

  • チーム発足早期に「これだけは守るルール」を明確化する→それ以外は自由
  • リーダーが挑戦に前向きになり、失敗した人を責めないことが挑戦文化の前提
  • リーダーが自分の弱みを開示して協力を求めることでメンバーの親近感・やる気が高まる

10. 報・連・相の正しい順序

  • 信頼関係がない状態ではメンバーは報告・連絡をしたがらない
  • リーダーから先に相談を持ちかけることで報・連・相が密になる
  • 報告を受けたときに感謝を示す(遮らない・責めない)→ こまめな報告が定着する

11. DISC性格診断の活用

  • チームミーティングで DISC性格診断を実施することで相互理解を促進できる(簡易版は無料)(→ DISC理論

12. 1on1と約束の遵守

  • メンバーとの1on1の約束を「上司理由・顧客理由」で安易にキャンセルしない
  • 定時外や休日の連絡は「本当に必要なとき以外は絶対にしない」

関連エンティティ

  • 五十嵐 剛(著者、元NEC社員)
  • NEC(経験のベース企業)

関連概念