リードマネジメント
定義
橋本拓也が提唱するマネジメント体系。
「メンバーの成長(個々人の目的・目標達成)を通して組織パフォーマンスを最大化すること」
これがマネジメントの最終到達点とされる。
ボス・マネジメントとの対比
| ボス・マネジメント(外的コントロール) | リードマネジメント(内発的動機づけ) |
|---|---|
| 批判・責め・罰・脅し | 傾聴・支援・励まし・尊敬 |
| 褒美で釣る | 目的・意味から動機づける |
| 管理・監視 | 任せて任せず |
| 成果のみ追う | 成長と成果の両立 |
5つの技術
1. リーダーシップの技術
「何のために・誰のために・なぜ」という目的から未来を示す。メンバーの「上質世界」(個人の願望・価値観)に関心を寄せ、ワクワクを生み出す。
- 率先垂範で成果をあげて尊敬を勝ち取る
- ダブルメッセージをしない
- メンバーの5つの欲求バランスを満たす
2. 個人の成長支援の技術
左手と右手のメタファーが核心:
- 左手 = 目的・目標(Why・For Whom)
- 右手 = 行動(実際にやっていること)
マネジャーは左手と右手のギャップを本人が自分で明確にする支援をする。いきなり答えを言わず、「左手と右手をもっと合わせるためにアドバイスが欲しかったり、相談したいことはありますか?」と問う。
フィードバックの定義:目指す成長に対する現状の情報提供(航空機のオートパイロット比喩)。数字の計算ではなく「メンバーの成長から逆算」する。
3. 水質管理の技術
チームの文化・雰囲気(水質)を健全に保つ技術。
チェスター・バーナードの組織成立3条件:
- 共通目的 — 組織のパーパスを語る
- 協働意欲 — 互いに協力し合う文化を育てる
- コミュニケーション — 一人ひとりが役割から発信する
文化の変え方:一気に変えず、半分ずつ少しずつ変える。感謝・応援・チャレンジなど肯定的な発言や態度が多い文化をつくる。
4. 委任する技術
- マネジャーは第1象限(重要かつ緊急)の仕事を委任し、第2象限(重要だが緊急でない)に移行する
- 委任の目的は「メンバーの成長の機会につながること」
- 松下幸之助「任せて任せず」:大胆に任せるが、適時適切に報告を聞き指導する
マネジャーの第2象限5仕事:
- リクルーティング
- マーケティング
- トレーニング
- マネジメント&モチベート(M&M)
- 同行指導
5. 仕組み化する技術
個人の成長と目的・目標達成のための場・ルーティンを設計する:
- チーム会議 — 目的・目標への立ち返り・好事例共有・進捗・アクションプラン
- 1on1面談 — 半年振り返りと次半年の目標設定
- 朝礼 — 今日1日の流れと最重要目標の共有(15分でも可)
- グレード基準 — 共通言語として機能する評価基準を明文化
マネジャーの行動指針
身につけたい7つの習慣
- 傾聴する(最も重要)
- 支援する
- 励ます
- 尊敬する
- 信頼する
- 受容する
- 違いを交渉する
やめるべき7つの致命的習慣
- 批判する
- 責める
- 罰する
- 脅す
- 文句を言う
- ガミガミ言う
- 褒美で釣る
信頼構築の2原則
- 小さな約束を守る — 特に時間の約束
- 陰で批判しない — 裏表があることが最大の信頼失墜要因
関連概念
ソース
- 部下をもったらいちばん最初に読む本(橋本拓也)