IRR(内部収益率)
概要
**IRR(Internal Rate of Return、内部収益率)**は、あるプロジェクトのNPV(正味現在価値)が0になるような割引率。言い換えると「価値と価格がちょうど均衡するような割引率」。
プロジェクトへの投資が生み出す収益率そのものを表し、WACC(加重平均資本コスト)(調達コスト)と比較して投資判断を行う。
定義
IRR = NPVが0になる割引率
= 将来キャッシュフローの現在価値合計 = 初期投資額 となる割引率
IRR法による投資意思決定プロセス
- キャッシュフロー予測: プロジェクトが生み出すキャッシュフローを予測する
- IRR計算: プロジェクトのIRRを計算する(通常はExcelのIRR関数等を使用)
- WACC比較と判断:
- IRR > WACC → 投資実行
- IRR < WACC → 投資見送り
なぜWACCと比較するのか
WACCは企業が資金を調達するコスト(=最低限稼がなければならない収益率)。
10%で調達してきたお金を、5.71%の預金口座で運用するなんてバカげた話はありえない——石野 雄一
プロジェクトのIRRがWACCを下回るということは、「調達コストより低い利回りで運用する」ことを意味し、企業価値を毀損する。
NPVとの関係
- NPV(正味現在価値)は特定の割引率(WACC)でプロジェクトの絶対的な価値を示す
- IRRはNPVが0になる割引率——プロジェクト固有の「収益率」を示す
- NPV法とIRR法は通常同じ投資判断結果をもたらすが、複数プロジェクトの比較には注意が必要
関連概念
- WACC(加重平均資本コスト) — IRRと比較する調達コスト(ハードルレート)
- NPV(正味現在価値) — IRRはNPV=0となる割引率として定義される
- 現在価値・将来価値(時間価値) — DCFの基礎概念
- CAPM(資本資産価格モデル) — WACCの株主資本コスト部分の算出
関連ソース
- ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~(石野 雄一)